厚生労働省の国民生活基礎調査の概況では、男女とも腰痛、肩こり、関節痛、つまり運動器の疼痛が常に上位にランクされています。特に、腰痛は慢性痛の部位として最も多く、生涯有病率は80%を超えており、世代を問わない最もポピュラーな愁訴といえます。それが日常生活動作を低下させる疾患のトップとなっています。
そのような現状において、当院では薬物療法と同様に運動療法の重要性を強く訴えています。つまり、病態や病期に応じで、運動療法のアプローチを選択するようにしています。運動療法において3つのアプローチがあると考えられます。

① 腰椎のアライメントを正し、局所のストレッチ
筋肉や関節のしなやかさを取り戻し、姿勢指導も行う

② 腰椎の不安定性や再発予防には筋トレ
関節や脊椎が安定化すれば疼痛が生じにくくなり、再発予防にローカル筋の強化を行う

③ 心身を整える全身有酸素運動
心理的要因が強い脳、中枢の機能異常を伴う場合は、ウォーキング、自転車等を主とする有酸素運動が重要。つまり、脳内麻薬の分泌促進や、不活動や肥満に伴いやすい軽微な全身的慢性炎症を抑える作用も期待できる。

以上、3つのアプローチをより充実させ、拡充させるため、現在、リハビリ室を拡張する工事が始まっています。来年3月に完成予定です。次回は、今後取り入れる予定の器具等の紹介をしたいと思いますので、宜しくお願いいます。

院長 山田兼吾拝

IMG_1858