
当院では、治癒過程を促進しながら痛みを和らげることを目的とした物理療法を行い、また、痛みの原因が不良姿勢や不良動作にある場合、正しい姿勢・正しい動作の獲得を目的とした運動療法を行っており、体感トレーニングやバランストレーニングを積極的に取り入れています。
物理療法
●リハビリ機器による治療
運動療法
1.関節の正しい動かし方の学習
2.筋肉の使い方の学習
3.寝返り・起き上がり・立ち上がりの仕方を学習
4.姿勢を安定させ正しい動作に繋げるための学習
●バランスエクササイズ
私たちの生活は、常にいろいろなバランスをとって動いています。 例えば、「寝返り」「起き上がり」「立ち上がり」「方向転換」などです。
その際、できるだけ楽に行えるよう、私たちの身体は「重心の偏り」を無意識にコントロールしています。また、普段の動作には、それが始まる「姿勢」が必要です。その姿勢は、目的のために準備されていなければなりません。これを「姿勢制御」といいます。
これらは、人それぞれのパターンがあり、いわゆる「くせ」とも呼べる指向性があります。
何も起こっていないときは良いのですが、一度痛みや怪我等により「重心の偏り」や「姿勢制御」が変更された場合、身体はこれらを「調節」して負担の少なくするかわりに、歪んだ姿勢をつくります。
また、普段の生活習慣によって、その人の「重心の位置」や「姿勢」が崩れ、痛みや怪我を負うこともしばしば見られます。
バランスエクササイズは、これらの問題を抱える患者様に対して、
バランスボール、TRX,キネシスといった「体幹」から治療する方法や、ボルダリング、バランスディスクといった「足」から治療する方法で行います。
●ボルダリングエクササイズ
「なぜか片側に痛いところがよる」
こんな経験ありませんか?
「歩いているとき、偏ってしまう」
「昔けがしたところを庇っているうちに、反対側が痛くなった」
これらの悩みを持つ患者様に共通するのが、「重心の偏り」です。
ボルダリングエクササイズは、その「偏り」を改善するために理学療法士の指導のもと、様々な姿勢をとりながら安全に行います。
初めて体験される患者様は、「重心の偏り」に気づかれませんので、
「あっちは届くのに、こっちは届かない」
「こっちは留まれるけれど、あっちはできない」
などのお声をいただきます。まずは、体験してみてください。
その後、歩行解析や重心動揺計を用い、バランス機能を解析します。
長年「偏り」に悩んでおられる患者様に、ボルダリングエクササイズは当院からの提案です。
●パワープレート
効率よく全身のワークアウトが出来るPowerPlateは、アスリートのコンディショニング調整、リハビリから毎日の健康維持まで、それぞれの目標を達成できます。
アクティブなライフスタイルを楽しみながら、誰でも無理なくエクササイズができます。
振動が無意識な身体の連鎖反応を引き起こすことで、神経系・固有受容器・筋骨格系・循環系が刺激され短時間で、多くの効果を身体にもたらします。
●有酸素運動
車のエンジンやモータを動かすために、ガソリンや電気が必要であるのと同様に、人間も筋肉を収縮させるためには、エネルギーが必要になります。
有酸素運動では、酸素とさらに脂肪をエネルギー源として継続的に筋肉を動かします。
体温が低い場合、効率的にエネルギーを消費できないため代謝が落ち、痛みを感じやすくなったり、なかなか痛みがなくならないという状態になってしまいます。そのため、有酸素運動を行って代謝を亢進させることで全身の循環改善に繋がり、痛みの改善や損傷した部位(筋肉、皮膚など)の回復を促すことができます。例えば、腕の骨折をされた患者様には、エルゴメータをおすすめします。
また、痛みがなくなったとしても、人は痛かった時のかばった動きをしてしまう傾向にあり、再発のリスクが高くなります。そのため、トレッドミル・ノルディックウォーキング・自転車エルゴメータを用いて正しい動作を再学習することが必要になります。
循環不良により痛みが出現している場合や、日常生活を含め仕事やスポーツ復帰する場合、有酸素運動は必要不可欠と考えます。
●シート式下肢加重計 ウォークWay MW-1000
怪我や疾患に罹ると、痛みから患部をかばうことで、姿勢や歩容に乱れが生じ、身体の動作に支障がでます。
また、左右の荷重の偏りにより、身体に負荷がかかることで腰・膝・足などの痛みにつながります。
下肢荷重検査では、視覚的にわかりやすく左右の下肢別の荷重量や、重心動揺を計測することができ、歩行能力や下肢支持能力およびバランス能力の評価・判定に有効です。
当院では、下肢加重計を姿勢や歩容の改善に活用しています。