医療コラム
〜部活シーズンに知っておきたい、成長期特有の膝の痛みのこと〜
「ひざが痛い」と言ったのに、骨折じゃないって言われた…
部活に力を入れはじめた春。
「ひざの前が痛い」「走ると痛い」「階段がつらい」──。
こんな訴えをお子さんから聞いたことはありませんか?
レントゲンを撮っても骨折は見つからない。
でも痛みは続く。
「大げさなのかな」「気のせい?」と思ってしまうおうちの方もいらっしゃいます。
じつは成長期のひざの痛みには、「オスグッド・シュラッター病」という、成長期特有の病気が隠れていることがあります。
オスグッドって何?
オスグッド・シュラッター病は、10〜14歳ごろの成長期に多く見られる膝の痛みです。
太ももの前の筋肉(大腿四頭筋)が繰り返し引っ張ることで、
ひざの少し下の骨(脛骨粗面)に負担がかかり、骨の出っ張りや痛みが起こります。
サッカー・バスケ・バレー・陸上など、ジャンプや全力疾走をくり返すスポーツをしている子に多く見られます。
特徴的なサインとして:
- ひざの皿の少し下の骨が出っ張っている
- 押すと強く痛む
- 走ったあとや運動のあとに痛みが強くなる
- 正座がつらい
このような様子があれば、一度ご相談ください。
成長期の骨は「引っ張られやすい」
大人の骨と違い、子どもの骨にはまだ「成長板」と呼ばれる柔らかい部分があります。
この成長板は骨が伸びるための大切な部分ですが、同時にとても力に弱く、繰り返し引っ張られることで傷みやすい場所でもあります。
部活動が活発になる4〜6月は特に練習量が一気に増えます。
骨の成長スピードに筋肉の発達が追いつかず、それがひざに強い負担をかける原因になることがあります。
膝の痛みを放っておくとどうなる?
オスグッドは「成長が止まれば自然に治る」とも言われており、多くのケースでは成長とともに症状が落ち着いていきます。
ただし、痛みを無視してスポーツを続けると、
- 症状が長引く
- 運動中の激しい痛みで動けなくなる
- 成長板への影響が出ることがある
「試合があるから」「部活を休めない」と無理をさせてしまうと、結果的に長く休まなければならなくなることもあります。
整形外科では何をする?
やまだ整形外科・リハビリクリニックでは、レントゲンや超音波検査で骨や軟骨の状態を確認し、オスグッドかどうか、また他に問題がないかをきちんと診断します。
治療としては
- 運動量の一時的な調整(完全に休む必要はないケースも多いです)
- 太ももの筋肉を柔らかくするストレッチの指導
- 理学療法士によるリハビリ
- 必要に応じてサポーターの使用
「どのくらい運動していいか」「どんなストレッチが有効か」を具体的にお伝えすることで、 できるだけスポーツを続けながら症状の改善を目指していきます。
スポーツを「やめさせる」のではなく「正しく続ける」
せっかくはじめた部活やスポーツを我慢するのは、子どもたちにとってつらいことです。
やまだ整形外科・リハビリクリニックは、名前の通りリハビリを重視し、「動いて治す」というスタンスで診療を行っています。
ですから、「しばらく運動禁止」という安易な対応ではなく、
当院では「どうすれば安全に続けられるか」を一緒に考えることを大切にしています。
理学療法士が体の使い方や動きのクセを確認し、
- ひざに負担をかけない走り方・着地の仕方
- 大腿四頭筋だけでなく股関節や体幹のバランスを整えるトレーニング
- 自宅で続けられるセルフケアの方法
などを丁寧にお伝えします。
「部活に早く戻りたい」「でも痛みが心配」そんな子どもと保護者の方の気持ちに寄り添いながら、長くスポーツを続けられる体づくりをサポートします。
子どものひざ痛は「成長のせいだから仕方ない」で終わらせないで
まとめると…
- 成長期のひざ痛はオスグッドの可能性がある
- 骨の出っ張り・押すと痛む・運動後に悪化するなら受診を
- 早めの診断と正しいケアで、スポーツを続けながら回復できる
「これくらいで病院に行っていいのかな?」と思ったときこそ、お気軽にご相談ください。
できるだけお待たせしない診療を心がけています。