医療コラム
「そのうち治るかな」と思っていませんか
「部活のあとだけ腰が痛いみたい」「疲れているだけだと思う」「そのうち治るかな…」
中学生のお子さんが腰の痛みを訴えたとき、こんなふうに様子を見てしまうことは少なくありません。成長期の部活生は、体のあちこちに痛みが出やすい時期でもあり、そのたびに病院へ、というのも大変です。
ただ、腰の痛みについては、私はもう少し早めに一度見せてほしいと思っています。
今日は、中学生の腰痛について、当院での考え方をお伝えします。
なぜ中学生の腰は痛みやすいのか
中学生の時期は、骨の成長が筋肉や体幹(お腹や腰まわりを支える筋肉)の発達よりも先に進みやすい時期です。骨だけがどんどん伸びていく一方で、それを支える筋肉や体幹はまだ追いついていないことがあります。
そこに部活での反復動作(ジャンプ・ひねり・前屈み姿勢の繰り返しなど)が重なると、腰への負担が集中しやすくなります。「体幹が弱いから腰痛になる」という単純な話ではなく、成長のスピードと運動量のバランスが崩れやすい時期であるため、腰椎分離症などの疲労骨折が生じやすいと捉えていただくとよいかもしれません。
「部活の疲れ」と自分で判断してしまう難しさ
中学生くらいの年齢になると、痛みを我慢したり、小さく伝えたりすることが増えてきます。「大丈夫」「たいしたことない」という本人の言葉だけで判断するのは、実は難しいことも多いのです。
保護者の方が「様子見でいいのか、病院に連れて行くべきか」を判断するのは、なおさら難しいと思います。ここで大事にしていただきたいのは、痛みが続いているかどうか、痛みで動きが変わっていないか、という観察です。
- 練習後だけでなく、朝や安静にしているときも痛む
- 痛みをかばうように、姿勢や歩き方が変わってきた
- 痛みが2週間以上続いている
こうした様子があるときは、一度、整形外科で診察することをおすすめしています。
当院での診療の考え方
当院の基本は「動かして治す」ことです。ただ、これは「痛くても動かしてよい」ということではありません。まず何が起きているかをきちんと診た上で、動かし方や体幹の使い方を一緒に見直していく、という順番になります。
痛みの場所だけを見るのではなく、なぜその場所が痛くなったのか、体の使い方の癖や体幹バランス、筋力のチェックまで含めて原因を一緒に考えましょう。
当院には「3割バッター理論」という考え方があり、リハビリ・生活指導など、どれが合うかは対話を重ねながら一緒に試していくしかない、というスタンスです。
私は、痛みが強くなってから来るより、「なんか最近、腰の様子が違うな」というタイミングで来てもらう方がありがたいと思っています。整形外科は、痛くなってから来る場所というだけではなく、体の状態を確認するために来ていただく場所でもあります。
まとめ
中学生の腰の痛みは、成長期特有の体のバランスの変化が関係していることが少なくありません。「部活の疲れ」「そのうち治る」と決めつけてしまう前に、一度体の状態を確認しておくと、その後の安心につながることもあります。
できるだけお待たせしない診療を心がけています。 診察は、LINE順番受付が便利です。
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